遺伝子は、変えられるーエピジェネティックスの真実 1

遺伝子は、変えられる。――あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実遺伝子は、変えられる。―――あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実

 

女王蜂は姉妹である働き蜂と違い、ほっそりとして、毛むくじゃらではなく、滑らかです。また、何度も再利用できる針も持っています。また、働き蜂は数週間しか生きられませんが、女王蜂は何年も生きられます。(格差社会でもこれほどの寿命格差はありませんよ…)

この天と地との差…をDNAのレベルまで、掘り下げると…

これが、DNA的に違っているなら、「そうそう、所詮はそんなもんですよ。」と納得できるのですが…親は全く働き蜂達と同じで、女王蜂も働き蜂もDNAも実は全くかわらないのです。それにもかかわらず、この差は一体…

勿論、女王蜂候補との生存競争に勝った生命力の強い蜂であるのは間違いないですが。

 

そういえば、上橋菜穂子先生の「獣の奏者」でも養蜂家が女王蜂を育てる様子が描かれいて、女王蜂を働き蜂から作るシーンがありました。とても印象的で、人口で作る女王蜂に驚きました。確かに。

 

その違いは、

女王蜂は、単にいい物をたべているから…なんです…

お馴染み、あれです。そう、ロイヤルゼリーです。

……………

特定の遺伝子をオン、オフ、することで、発現するメカニズムが変わる…

このメカニズムを、「エピジェネティクス」と呼ぶのだそうです。

勿論、何匹かのロイヤルゼリーを食べることの出来る姉妹達との競争に勝って1匹だけ残らなくてはならない戦いはあるらしいのですが、それにしても、

まず、ロイヤルゼリーを食べられる運がある蜂は、沢山ゼリーを食べて、働き蜂になる遺伝子を抑制するのだそうです。もとからある遺伝子を抑える役割が食べ物にあるんだそうです。

 

マジか…?食べ物で変わるの?

 

この本の作者はスーパー耐性菌を標的にする「シデロシリン」という抗生物質を発見した医師であり、遺伝子起因する病気を専門とする研究者でもあります。

そもそも生まれつきだから仕方ない、と諦めたり、納得して生活している私たちですが、実はその遺伝子について、そんあに理解できていない、と目が醒める思いでした。

具体的に作者が体験、治療した遺伝子による病気や対処法などの記述がありますが、生まれた後、体験する精神的なショックや食べ物などからも遺伝子が影響受けるということがわかってきています。

個人個人が実は微妙に違う遺伝子の持ち主で、しっかり自分の遺伝子 の特性を知るべき。と著者は述べています。確かに今は遺伝子キットなどで、簡単に自分の生来の体質、病気がわかる時代にになっってきていますよね。

 

この本の内容で、即実行できる遺伝子に有効な例がいくつかありました。ピックアップしていきます。

 

 

成熟脳 その1 脳も入力からも変えられる。 エマニュエル マクロン 大統領

https://www.amazon.co.jp/成熟脳-脳の本番は56歳から始まる-新潮文庫-黒川-伊保子/dp/4101279551/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1550058730&sr=1-1&keywords=成熟脳

 

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薄い文庫本です。

知人から勧められて読みましたが、思いのほか、色々なエッセイが面白かったのでご紹介します。

 

まずはマクロン大統領と奥様のお話。

 

脳も入力からも変えられる。

リーダーにふさわしい歩き方や話し方をしていればやがて脳もそうなってくる。

 

 

マクロン大統領はエリートでありながらブルジョワではありません。(今は大変そうですが)

政治だけではなくそのファッション(決して高額ではない服装)や立ち振る舞い、ウイットに富んだ演説…などの演出の見事さで、富裕層にも労働者層にも好感度が高かったのです。

 

https://www.netflix.com/jp/title/80190879f:id:Jyakuson:20190213212919j:image

マクロンさんが大統領になるまでのドキュメンタリーがNetflixで見られます。

 

彼のイメージを作ったのが25歳年上の妻ブリジットさんです。

 

彼女の職業は高校の演劇の教師。

 

私は単純に演劇クラブの顧問の先生なのかと思っていたんです。

 

ところがヨーロッパの知識階級は、詩の勉強をしたり、演劇の指導者が加わったりして、その階級にふさわしい言葉の使い方、立ち振る舞い、装い方などを演劇メソッドとして学ぶのだそうです。

ブルジョワの家に生まれなくても経営者になる人は、時には現地の指導者を頼んで、その立場にふさわしい振る舞いを学ぶ。

 

マクロン大統領が通ったハイスクールは名門ですので、演劇の先生の地位は高いそうです。単なる部活の顧問ではなく、将来エリートとなる青年たちに、どのようにして、ふさわしい姿になるか、全てをディレクションするプロデューサーなのでした。

 

おそらくブリジットさんは抜群の知性とセンスの持ち主なのでしょう。

 

エリートを早世する術を知っているプロデューサーブリジット。稀有な才能と向上心を持つ美貌の青年は、優れたプロデューサーのおかげで大統領の地位まで上り詰めました。

 

フランスでは、“25歳年上の奥様”ということよりも、“演劇の先生”というブリジットさんの職業の方が取り上げられるんだそうです。

 

マクロン氏自らもブリジットがいなくては自分はこの立場にない、と語っていましたが、社交辞令やおのろけではなく、プロのプロデューサーを称えてのことでした。       知らなかった…

 

脳も入力からも変えられる。

リーダーにふさわしい歩き方や話し方をしていればやがて脳もそうなってくる。

 

 

日常の立ち居振る舞いや話し方、歩き方を反省させられ、思わず姿勢を正してしまいました。

 

ちゃんとしなくっちゃ。日頃から…

 

楽園のカンヴァス 原田マハ

https://www.amazon.co.jp/楽園のカンヴァス-新潮文庫-原田-マハ/dp/

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美術には全く造詣のない私ですが、知人に勧められて読んでみました。

      ほー     びっくりです。

 

最初は美術館に勤める頑張るシングルマザーと反抗期の娘の話かなぁとちょっとテンションが下がっていたのですが、読み進むうちに…n、n、n?!とんでもない!!

シングルマザーは、実はとってもカッコいい、凄い人だったんです!!!!!

 

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム ブラウンとともにスイスのコンラート バイヤーの大邸宅に招待された研究者 早川織絵。2人はアンリ ルソーの名作「夢」の真贋を鑑定することになります。

その手がかりとなる古い本には、1900年になったばかりのパリでの貧しいルソーの生活や巨匠ピカソとのつながりなどが、当時の景色を映し出すかの様に書かれています。織絵とティムは毎日一章ずつその本を読むことが許されます。そしてバイヤーの所有する「夢」、がルソーが本当に描いたものであるかどうか、最終日に鑑定、判断をします。その結果をバイヤーが評価。そして、正しいと見なされた人、ティムか織絵か、どちらかが所有者バイヤーからその作品を自由にしてもいいと言う権利をもらえます。果たして結果は????ジャジャーン

 

と言う内容なんですよ…

 

読んでいくと、もちろん1900年のパリやアーティストたちの生き様をとても身近に感じることができます。そして、同時に名画の回りの美術館や美術商、果てはインターポールなどの動きも同時並行で描かれていて、全く知らない世界だけれど、 読んでいてワクワクするんです。

 

美術関係に縁も興味もない私も退屈することなくあっという間に読んでしまいました。久しぶりに夜更かしさせられた本でした。

オススメです。

 

 

彩雲国物語 娘の読解力、読書スピードを一気に上げてくれたコミックと単行本…

https://www.amazon.co.jp/彩雲国物語-文庫-1-18巻セット-角川ビーンズ文庫-雪乃/dp/B00B486Wf:id:Jyakuson:20190111204539j:image

 

かれこれ10年前。

娘がいます。勉強が嫌いで、成績が悪くて、数学も国語もできません。

本を読むのが、一字一字味わっているのか?と思えるほど遅い子でした。あわてて公文の塾で漢字や読解力を養おうとしましたが、それなりに上がってはきたものの、平均には程程遠い…エスカレーター式の成績に寛容な学校でもあまりにおバカだと進学できません。

 

そんな時に、テレビで彩雲国物語のアニメを見ました。これ、面白いかも、と私がホクホクコミックを読み始めました。(アニメ、漫画大好き)

コミックがとても面白かったので、どうしても続きが読みたくて、単行本を全巻揃えました。

これが……

面白くて面白くて夢中になりました。夜な夜な寝不足で時には徹夜でフラフラしながら彩雲国物語にはまってしまいました。

そんなアホな母親を見て、

 

 娘:そんなに面白いの?(いい年して…)

 

私:うん、めっちゃ面白い。読み始めると徹夜になるから、読まないほうがいいよ。

 

娘:ふーん…

 

すると、かげでコソコソとコミックを読みはじめる娘…(読め、というと読まず、読むな、というと読む)

 

全巻読み終ってしまい、楽しみも励みもなくなって、しょぼんとしている私の横で、

がつがつコミックを読みおわり、一気に単行本に突入している娘がいました。(ほほう…どこまで読めるかな、いつまで続くかな????)

 

読書が苦手な娘にとっては、単行本を読むの始めはとても読みずらかったと思います。かなり、単語、熟語が豊富で漢字も手強い。表現も情処があり、それなりに読み応えがあるので、コミックをサクサク読むようにはいきません。とはいえ、コミックから読み始めて目が慣れてきて、ストーリーを追いたい一心で進んでしまうのでしょう。。主人公秀麗の賢さや肝っ玉、周りの登場人物の華やかさに触れて、娘も私同様、寝不足の日々に突入していきました。(やった!!)

 

全巻読み終った後、(驚きと嬉しさで小躍りしたい母親)

 

他の本を読んでみたら、あまりにすらすら読めたので、本人も驚き!!!!あれ?

 

娘:本面白いね。早く読めるようになって楽になったよ。他に面白いのない?

 

と、小野不由美さんや上橋菜穂子さんにはまり、娘の本棚の本が突如増え始めました。

 

それにつれて成績も上がってきて、無事進学、進級できて、ほ〜…家族で胸をなでおろしました。

 

ですから、彩雲国物語の作者、雪乃紗衣先生には頭があがりません。アホな娘が大学生になることができたのは先生と秀麗のお陰です。有難うございました。

 

ちなみに我が家は、家族全員、男子陣もはまり、寝不足を順番に経験しました。目真っ赤家族

 

秋の夜長にオススメですが、冬の寒い夜もしんしんと染み込んでよいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に自分で決めているのか?ダンアリエリー TED

https://www.ted.com/talks/dan_ariely_asks_are_we_in_control_of_our_own_decisions/up-next?language=ja

 

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https://www.amazon.co.jp/予想どおりに不合理-行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」-ハヤカワ・ノンフィクション文庫-ダン-アリエリー/dp/4150503915

に記載されている内容ですが、作者本人がとても親しみやすいユーモアなる人なので特にとても面白いです。

自分でいろんなことを決めているつもりでも、表示の仕方によって判断が大きく違ってしまいます。買い物の判断ですら、無意識に左右されてい実験結果が紹介されています。

例えば、

学生にどれを選ぶか聞きました。

   購読のご案内A                                                    選択をした人数

エコノミスト.comのWEB購読 59$                       16人

印刷版の購読 のみ 125$                                                   0人

印刷物とエコノミスト.comのWEB購読とのセット 125$     84人

 

確かに印刷物のみの購入とWEBあわせてのセット購入で同額ならセットを選ぶのかな?

 

 

では、   購読のご案内B      の提示ではどう変わるでしょうか?

エコノミスト.comのWEB購読 59$                         68人

印刷物とエコノミスト.comのセット購読 125$      32人

 

あ、WEBだけでもよいのよねー実際は…

確かに。わかります。

 

と一行あるかないかで、判断の基準が変わってくるのです。このような例がたくさんあります。

やっぱり、無駄な買い物たくさんしていたかも…と思い返してしまう、外的要因に左右されている自分に気づかせてくれる内容です。

本の方は少し読みにくいかも。TEDの内容は本と重なっていますので、軽く見られて、ためになります。


是非ご覧あれ。

 

 

予想通りに不合理 のダン・アリエリー教授 TED 2009年

https://www.ted.com/talks/dan_ariely_on_our_buggy_moral_code/transcript?language=jaf:id:Jyakuson:20181128204535j:image

行動経済学の先生です。何冊か読んでいたので、ググったらTEDにいくつか出演していらっしゃいました。

まずは一番古いものから、見てみました。

 

彼の本は

“予想通りに不合理”

https://www.amazon.co.jp/予想どおりに不合理-行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」-ハヤカワ・ノンフィクション文庫-ダン-アリエリー

“ずる”

https://www.amazon.co.jp/ずる―嘘とごまかしの行動経済学-ダン-アリエリー/dp/4152093412

 

など、とてもユニークです。(人間の不可思議な行動パターンを分析して、いかに私たちが外部の情報、環境に影響を受けるか、とても細かく描かれています。)

 

ダン.アリエリー教授は体の70パーセントもの火傷を負いました。その時、看護師のマニュアルにそった包帯の剥がし方がひどくて、大変痛い思いをしました。看護師に剥がし方を変えてほしいと頼みましたが、看護師は、今迄の経験から、一気に剥がすのが一番痛みの少ない方法だと(どう考えても痛そう)譲りません。その時のエピソードの話から始まります。

彼の著書は、

“人は、実はズルをします。例えば、会社から鉛筆を持ち帰る、自己採点の点数のゴマカシ、などの小さなズルです。でも、お金をもっていったり、大きく採点をかえることまではしない…”

などの発見から色々な実験をして、どこまで、人の倫理感が働くのか、細かく分析して、説明しています。

 

その中でも面白かったのは、自分と同じ大学のパーカーを着ている学生がズルをすると、なんとなく、同じような事をやってしまうけれど、違う大学のパーカーを着ている学生がズルをしても、そのズルをまねない。そうです。笑(なんとなくわかる気がする。君の大学はズルをするかもしれないけど、僕らは違うから、みたいなのでしょうか?クスクス…)

又、ズルし放題のテストの前に十戒と書いた紙をはっておくと、ズルをする学生が減るそうです。無宗教の学生達でもです。笑(見張られている気がするのかな?)

 

ちょっとした心の動きを見られているような気がしたり、人の心を覗いている様な気もします。

 

このTEDの収録は2009年で、エンロンの事件に触れています。ズル、の経済学的な説明があり、人は、儲けることができるか、罪になるか、を常に天秤にかけて思考するそうです。

おりしもカルロス ゴーンさんの事件で日仏は大騒ぎ。(その影響でダンアリエリー教授の本をレビューしたくなったのかもしれません。)ズルは、罪と倫理観の天秤のバランスをどこでとるか、ということの様ですよ。

 

 ダン アリエリー教授はTEDに何回も出演している様ですので、又他の回も見てみたいと思います。

やってみる 意志力を使わずに自分を動かす シンプルな計画

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シンプルな計画

ピーターゴルビィツアーの実験
クリスマス休暇前にエッセイを書くという宿題が学生に課されました。
休暇に入る前に、対象学生の半分に、エッセイを書く場所と時間を自分で決めてもらい、紙に書いて先生に提出してもらいました。

そして残り半分の学生には紙の提出はありません。
紙を作成しない(計画をしない)学生の宿題提出率は32%、

一方、作成して、先生に紙を預けた(いつ、どこで書くかを計画した)学生の提出率はなんと71%だったのです。


同じような実験を著者も試してみます。
高校一年生の秋休みの前に、模擬テストの冊子を渡し、半分の生徒にはその冊子使って勉強する時間と場所を決めるように指示しました。(朝食後に自分の部屋で問題を解く、など)休暇中生徒には一切連絡を入れず、生徒の作った学習計画も渡していません。

休みがあけます。

シンプルな計画を立てなかった生徒は平均100問しか演習問題を解いていません。

ところが、計画をたてた生徒は、なんと259問も解いていたのです!


この実験はクリスマス休暇の様な短期ではなく、ひと夏(3ヶ月)かけた長期の実験で、2倍以上の差です。


人の置かれている状況や目的に関わらず、
いつ、
どこで、
どのように
実行するのか
を計画することが、とても効果的なのです。


どうしてでしょうか?


脳は状況や手がかり (if )と、―それに続く行動( then )を結びつけます。If の条件が生じると、あまり自覚せずに、自動的に次の行動に移ろうとします。いわば、意識的に即席の習慣が作れるのです。


ほーーーーそうだったのか〜⁉️

報酬でもなく、いつ、どこで、何を、のメモで、持続力、行動力がつくのでしょうか?
試してみたいと思いませんか?

実は、この本には他にも沢山の分析や条件が記載されているのですが、面白い、即、試してみよう、と思えたのは、報酬の章とシンプルな計画の章です。

試してみよう…

いつ、どこで、どの様に、何を、してみようかな?