命の格差は止められるか イチロー.カワチ

テロメアからストレスの怖さを再認識して、以前読んだハーバード大学教授のカワチ先生の本を思い出しました。


人は、周りと自分と比較し、標準的な所得に達していないと感じた時に、ストレスが健康リスクをあげる。


アメリカの例ではありますが、平均的な人たちの住居から遠くなればなるほど死亡率が上がっていく。お金同様成功や地位、名誉などを含む、社会での目に見えない順位が健康に影響及ぼしていると書かれています。


一方、日常的な人との交流、また仕事の進め方など、細かなところからストレスが軽減され、元気に、活力をもらっていることも沢山あります。


お見舞い客が多い患者は回復率が早い。

ベルトコンベヤー式の流れ作業ではなく、チームプレイで、 1台の車を作り上げると言う作業にしたら、欠勤率が減り効率も上がった…など、日々の生活や仕事のやり方によってストレスが軽減される具体的な例が挙げられています。


又、印象に残ったのは幼少期の教育がその後の健康を決めると言う章です。


生後4ヶ月の子供、経済状況が良くない黒人の子供を八年間にわたり毎日8時間幼児教育を行いました。(ストレスがかかりそうに思いますが)その後も訓練を続け、追跡調査をしました。

特別な授業を受けた子供は驚くべき違いを生み出し、その後喫煙率の低下はもちろんのこと一定の収入を持ち家を購入する率が高くなりました。

教育がその後の収入や健康に影響及ぼすと言う調査結果です。長期にわたる調査にも驚きですよね。


又、日本の絆、お互い様と言う地域の結束力は、日本が世界に発信できる処方箋だという嬉しい気づきもありました。


200ページ位のとても読みやすい本です。どの章もとてもためになるので強く、お勧めします。